痴人の愛 (新潮文庫)
蠅の王 (新潮文庫)
クロク、ヌレ!
図説 不潔の歴史


 谷崎潤一郎痴人の愛」発表当時は衝撃だったのだろうな、と同時に現代ではエンタメギャグ小説として笑いながら楽しむのが吉。近代日本の悪女のハシリとなるナオミと振り回される愛すべき男たちが微笑ましい。面白かったです。
 ゴールディング蝿の王」成長途中の少年や少年とすら呼べない幼児がメインなので暴力と血と死が異様であった。本編自体も結構陰鬱だけどこれ以降にある世界こそが悲惨なのかも。こちらも良かったです。
 真梨幸子「クロク、ヌレ!」読みやすかったです。彰夫がとても腹の立つファックな輩でコイツの手紙が出てくる終盤がホントに噴飯ものだった。トルコって聞くと探偵物語思い出すなぁ。
 「不潔の歴史」時代別に清潔と不潔の有り様を丁寧に分析紹介しています。ただ自分はもっと下劣でスカトロジーで糞喰いみたいなんが登場して、おぇエグいねぇSHITだねぇと唸りたかったのです。マジメ度高し。