豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)
ラッシュライフ (新潮文庫)
ラブコメ今昔


 三島由紀夫「春の雪」素晴らしいですね。こんなに美しい活字初めて読みました。平易な文章なのに淡く映像化出来てしかもストーリーが面白い。日本語ってこんなに凄まじく美しい表現が出来るんだなぁ。清顕と聡子の接吻シーンには震えました。
 伊坂「ラッシュライフ」登場人物のリンクの仕方とかやっぱり巧いこと書きますね。面白かったです。
 有川浩「ラブコメ今昔」面白いー。ニコニコしながら読んじゃいますね。夢は枯れ野をかけめぐる
ペガサスと一角獣薬局
青銅の悲劇  瀕死の王


 西澤保彦「夢は枯れ野をかけめぐる」所謂日常の謎を描いた連作集なんですけど、この人の場合年配の人や高齢化問題を取り上げているせいもあるかも知れんけど雰囲気が非常に不穏でしたね。ダークなムードがそこかしこに潜んでいる感じで。
 柄刀一「ペガサスと一角獣薬局」ジャケは最高なんですけどね、内容に惹かれるとこは無かったなぁ。そもそもこの人の文章面白くないです。
 そして問題の笠井潔「青銅の悲劇」兎に角読了するには多大なる苦行と苦痛を伴う劇薬ミステリ。昨年の「密室キングダム」を彷彿とさせます厚さとか。アレも厳しい作品でしたけど事件自体が派手だったのね人もたくさん死ぬし密室まみれだし。読みどころは多少なりともあったと思うの。が「青銅」はね論理の極みというかね、推論の嵐でひたすら議論を重ねているの。地味な事件のくせに。本格ミステリは好きなジャンルですけど本作は辛かった。相当の変わり者か好きものじゃないとコレはムリー。これから読む方、断固たる覚悟を持って読まないと第三章で挫折します。ハードコアっつーか、現時点で最難のエクストリーム本格。