ディオニュソスの階段 上 (ハヤカワ文庫NV)
ディオニュソスの階段〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

















































 書評系サイトやブログで自分の趣味と似通っている人が薦めていれば、普段手に取りそうにない作品も読んでみようという気になります。これもそのうちのひとつ。海外作品ですが登場人物も多くなくいつもとは違ったミステリーで面白そうだなと。
 で、ボリュームはそこそこありましたが読了。うーん、評判ほどの面白さでは無かったですね。メインと思しきとこまでは凄惨な殺人や刑事と殺人鬼の追走サスペンスな感じで進むのですがそこが少々退屈。重厚な場面描写なのにそれが面白さに繋がらないです。元々の文章も硬いのでしょうけど、新宿鮫や隠蔽捜査などのスピーディな展開に慣れている自分にとっては結構苦痛でした。ただ、物語のクライマックスであろう殺人鬼への階段の件は非常に面白いですね。てゆーか、ここをもっと重厚かつ濃厚にすべき。かなりヘヴィなお話で堪えました。所謂本格ミステリ的な謎解きはないですしサスペンス的盛り上がりもいまひとつですが、終盤のダークネスは一読の価値有り。