本陣殺人事件 日本推理作家協会賞受賞作全集 (1)

本陣殺人事件 日本推理作家協会賞受賞作全集 (1)

 あけましておめでとうございます。
 金田一耕助初登場作。結末は知っているんですがひさしぶりに読んでみても実に面白い。これ以上ないというくらい探偵小説している。
獄門島 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

 邦ミステリオールタイムベストとの呼び声も高い名作。これも結末知っている。金田一は早くも全員が殺されるまで何もしない呑気ップリを発揮。メインのネタはどうも弱い気がしますが、本作は見立てや殺人現場の不気味さなど危なげな雰囲気を楽しむほうが良いのかも知れませんね。
夜歩く (角川文庫)

夜歩く (角川文庫)

 初読みは中学生。犬神、八つ墓、獄門でわなくこれをチョイスする若き日の自分が素晴らしい。マジでなんでだろ。十数年ぶりに読むが最高だ。中学生の時分はこれがホンマモンの探偵小説か!とめちゃくちゃ衝撃を受けたことを思い出す。凄かった。登場人物と表現がヤバすぎなのでこんな作品は現代で発表できようもないが、メイントリックおよびムードなど一級品のミステリー。とりあへずボクの横溝ベストは今でもコレ。
チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 とても面白かったです。こういった連作集ならいくらでも読みたいです。
封印 (文春文庫)

封印 (文春文庫)

 2008年読みたい作家の一人黒川博行。この人の面白さのキーポイントの一つにウサン臭さってのがある。本作ならパチンコ業界、昨年の傑作「悪果」ならばマル暴の実態など普段うかがい知れない世界をリアルっぽく読ませてしまうとこに魅力を感じる。あとドギツイ関西臭ね。これはボクサーあがりの釘師がヤクザ、警察の絡んだ謎に挑むってことでテンポ良く読めました。
左手首 (新潮文庫)

左手首 (新潮文庫)

 小悪党の様々な行く末を描く短編集。特に傑出した作品はなくまあまあといった出来でした。
日曜日の沈黙 (講談社ノベルス)

日曜日の沈黙 (講談社ノベルス)

 今頃メフィスト賞デビュー作。初っ端からこーゆうテンションだったのね。
 「くだらないわっ!くだらなさすぎるわ!」
 ボクもそう思います。 2008年読み進めたい作家鮎川哲也の心中物。やっぱりラストの風景だなぁ。凄く悲しくて情感の零れる印象的なシーンでした。さすが鬼と呼ばれるだけあるわ。