他人事


 平山夢明の最新短編集は相変わらずブッチギリの胸糞悪さで最低で最高だ。ケータイ小説を含んだ全14篇である。暴力と臓物と崩壊に塗れた作風は一見ワンパターンかもしれないがそのどれもが凶悪な高クオリティで気分が悪くなるぜ。タイトル通り他人の痛みには無関心ってことで暴虐の数々にも一定の距離を置き淡々と冷酷に描写する様が圧巻だ。他人が痛みを感じても自分は痛まない、など名言を残した兵藤和尊を思い出す。そういやアニメのカイジは内容は原作に忠実でしかもスピード感は全く原作に忠実でなくテンポ良く進み面白い。昨日は限定ジャンケン最低の安藤裏切りが発生しクライマックス最高潮だ。ちょっとズレたがベストは尻の穴の世界のダーウィン賞の件が最高スギル「ダーウィンとべとなむの西瓜」だな。尻から発信しっ放し。産み落とされた芸術。アナルに高射砲の弾丸。超絶バカすぎる。本作を楽しめる人はなかなか少ないような気がするが、肌に合う人にとっては愛しい作品集になると思う。芳ばしく臭い立つような傑作誕生。