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インパクト絶大のデビュー作に較べれば確かに衝撃度では劣るが、邦ミステリーにはなかなか相応しい仕掛けと展開でまずまず読ませることに成功しています。どうしても二人の登場人物による視点の掛け合いになると注意深くなってしまい伏線ばかりに気をとられてしまい、それも本作は結構分かりやすいのでちょっと残念だったかも。あれだけ1作目が凄かったので読者はそりゃー丁寧に疑りながら読み進めてしまいますよ。
ミステリ部はそこそこな出来ですが、かなえたんの本領発揮部はやはり登場人物。本当に巧い。コイツ憎いわーマジ最後悲惨なことになって欲しいわー、といったキャラでなく、あーもう突っ込むのも煩わしいし、あ私のこと気にしてんの、え、そうなの?とか思われちゃうのも面倒くさく眉を顰めてしまいそうなキャラが多数。絶妙なイヤキャラさじ加減。湊かなえと真梨幸子この二作家は嫌悪人物描写にかけては図抜けています。ファンなら間違いなく楽しめる良作。