ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)
浄土 (講談社文庫)
永すぎた春 (新潮文庫)
有限と微小のパン (講談社文庫)


さまよう刃 (角川文庫)
妖奇切断譜 (講談社文庫)
七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)


 面白かった本が上段。
 ベルカは特異な文章でしたが自分はすぐ慣れました。結構引き込まれてアグレッシヴなとこが良かった。町田康は前に読んだ「きれぎれ」があまり印象に残らなかったのにこの短編集はとても面白かったですね。この人は短篇で鋭くコンパクトにまとめたほうが楽しく読めます。「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」「自分の群像」の4作が最高。初三島由紀夫も面白かった。よくできた娯楽小説です。S&Mシリーズもこれで全制覇。これだけのクオリティの作品を短期間の内に発表するのはやはり圧倒的ですね。Fと今はもうないくらいしか記憶に残っていないのだけど、どれもが暇つぶしにはぴったりの読みやすさでした。
 さまよう刃は読み物として満足できました。妖奇はまぁ凡庸というか衝撃はあまりなくグロさが際だったくらいか。ポール・アルテは物語自体に魅力がなくほとんど読み流してしまった。