40年以上前に発表されたカルト的名作。古本屋行く度に探していたが見つからないので遂に図書館で。叙述が使われているのは自明だったのであまり疑り深くならないようにしました。ネタは鮮烈ではありませんが、終始騙されておりました。あらすじの時点で既に。読了後確認したらはっきり書かれているんだもん。地味だけどヤラレた。

 パズラー系本格ミステリとしてはまあまあだと思いました。「仮面幻双曲 (小学館ミステリー21)」でも感じましたが、この人ネタやトリックの着眼点は面白いんですよ。ただ落とし所が結構雑。中篇「Yの誘拐」とか反転ありでなかなかなのにラストの意外性は個人的にヤリスギなとこがあって残念。あと話が至極つまらん。
法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)

法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー (角川文庫)

 中西智明「ひとりじゃ死ねない」を収録した作品集。「消失!」にも脱力した向きですが、ひさびさに読了後すざけんな!になりました。綾辻行人どんどん橋、落ちた (講談社文庫)」以来ブリのすざけんな感を味わされました。叙述使うって明記してんのにこのなんというヤラレ。