ハッピーエンドにさよならを


 歌野晶午の最新ブラック短編集。ショートショートなど10篇以上収録。タイトル通りどれもがブラックで陰鬱な感じに終わる物語ばかり。黒家族モノが多いのも特徴か。ベストはもろに歌野節が炸裂する「尊厳、死」ですね。「おねえちゃん」は狂い咲く切なさ、「サクラチル」は先の見えないトンネルを進む重く暗い気分、「防疫」はどうにもならないマザファッキンストーリー。全篇とまではいかないですが、結構ブラックでイヤな気持ちにはさせてくれるのでヘコたれたい方には良いかと思います。