木製の王子 (講談社文庫)

木製の王子 (講談社文庫)

 本格推理の破壊王麻耶雄嵩の真髄が感じられる作品でした。登場人物の名前に秘められた稚気や白樫家のぶっ壊れた家系など麻耶流デストラクションミステリが満載です。分刻みの超細密アリバイトリックはすぐに降参しました。苦手な人は確実にいると思いますが、自分はこういった刺激的な推理小説を提供してくれる作家さんが大好きです。これで大体の麻耶作品は読みましたが、やはりどうにも新作が楽しみです。リリース情報もまだありませんが、焦らず強烈なカタルシスを披露していただきたいです。
孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

 今月待望の新作がリリースされる江神シリーズ。小説としては物足りませんが、正統派本格ミステリとして存分に楽しめました。
密室の鍵貸します (光文社文庫)

密室の鍵貸します (光文社文庫)

 ユーモアミステリの旗手・東川篤哉のデビュー作。テンポの良い会話と展開はすでに処女作で確立されておりました。超読みやすい。メイントリックはあの邦ミステリの有名作品を読んでいたのに割ることが出来ませんでした。なかなか良いですね。