五重奏

Jazz at Massey Hall

  • The Quintet - Jazz at Massey Hall [1953]

 Dizzy Gillespie (tp)
 Charlie Parker (as)
 Bud Powell (p)
 Charles Mingus (b)
 Max Roach (ds)
 1953年5月13日、カナダはトロントのマッセイ・ホールにてビバップの巨人たちによるセッションが行われた。それにしても恐ろしすぎる面子だ。ビッグネームすぎる。契約の都合、誰のリーダー作にも出来ず「The Quintet」名義で発表。このメンバーでこの名称を名乗られたら平伏すしかないだろう。基本的にはバードのアルバムとして理解されている。
 このセッションは、ボクシングの試合の裏で行われていて、ガレスピーはそっちが気になってプレイに集中出来てないとか、バードはサックス売っ払っちまってしょうもないサックスでプレイとか、パウエルは車椅子でプレイとか、どう考えても異常な状態でのパフォーマンスなのだが、そもそもメンバー自身が一番異常かつ規格外なので、全盛期は過ぎていようともプレイの質は高い。
 ガレスピーがイっちゃってる「Tr.2 Salt Peanuts」やクライマックス「Tr.6 A Night In Tunisia」など聴き所は結構あるのだが、どうにもおかしすぎるのがチャールズ・ミンガスのベースなのよ。周りの巨人たちに一切遠慮なしの超重量級プレイ。ベースばかり耳に入ってきておかしくなる。なんだこの録音?と思ってたら、このセッションについて調べてたら分かったんだけど、後日ミンガスは勝手にベース部分だけイジったらしい。笑える。
 必聴盤だとは思わないけど、いわゆる記念盤ってことで購入。ビバップというジャズの革命を起こした張本人たちによるビバップハードバップをまたにかけた意義のあるライブセッション。サッカーの世界選抜を観るような感覚で聴いたら面白いんじゃなかろうか。

Jazz at Massey Hall

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