鬼の跫音
狼花 新宿鮫9 (カッパ・ノベルス)
インディゴの夜 (創元推理文庫)
踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿


 道尾秀介初短編集が良い出来です。言うなればブラック道尾という感じでイヤーなお話多数収録。既読作品であった「ケモノ」が再読でもベスト。ネズミ、カラスという二大傑作を発表した昨年を超えるような道尾イヤーになりそうだぜ。
 大沢在昌「狼花」読ませる構成には相変わらず脱帽。非常に面白かったです。過剰なドンパチなどはなく地味でヒリつくようなハードボイルドさが存分に堪能出来るし、前作「風化水脈」と共に初期作と肩を並べる傑作に仕上がっています。ここ数作晶の出番が少なく鮫島の動向が気になるます。本作は晶ほとんど登場しません。まぁ自分は晶嫌いなんで全然構わないけど。
 加藤実秋「インディゴの夜」登場人物の描写が絶妙で作者の観察眼に唸らされる。ミステリー部はそこそこだけど話は面白いので良い。
 北山猛邦「踊るジョーカー」音野順がCAWAII!