浮遊封館<ミステリー・リーグ>
 小説としての面白さはほぼ皆無、実現度低めなバカトリック、凶悪かつ胸糞悪くなるような動機といわゆる典型的ゲテミス。ホントつまらない文章の垂れ流しで何も残りません。読後感が最悪なのは本作にとっては褒め言葉かも。妃は船を沈める
 コンパクトで端正な中篇本格作品でした。第一部は本編より「猿の手」の解釈が面白く、第二部はこれぞ有栖川というロジカルな謎解きが良かったですね。こういったオーソドックスで本格の良心とも呼ぶべき作品があるからこそ、「浮遊封館」のような無茶っぷりが許されるのだなぁと思います。十三の呪 死相学探偵1 (角川ホラー文庫)
 ファンからの期待がすこぶる高い如きシリーズの本気度とは違ってやや肩の力が抜けた様子見的な新シリーズ。ホラー寄りなのだとは思うが全く怖くはない。去年出た「禍家」もそうですけど三津田さんの文庫書き下ろしはどうもインパクトが弱い(というかボクの趣味に合わない)ので個人的には物足りないですね。