天才アール・アンダーザ
 なかなかにヒリヒリするアルトを聴かせてくれて良いですね。メンバーはEarl Anderza(as)、Jack Wilson(p,harpsichord)、George Morrow(b)、Jimmy Bond(b)、Donald Dean(ds)で1962年録音。ウィルソンのハープシコードんとこが気に障るがアクセントにはなっていると思います。同じくアルト奏者のエリック・ドルフィーと類似点を指摘されていて確かに言われてみれば。エグ味を抑えたドルフィーって感じか。
 あとDexter Gordonの「Squirrel」がヤバかったぜ。1967年欧州デックスでKenny Drew(p)、Bo Stief(b)、Art Taylor(ds)を従えているのだけど、アート・テイラーが図抜けて凄いことになっている。50年代テイラーは結構堅実なプレイで同時期のフィリーやブレイキーなど較べると派手さに欠けているかなぁという印象だったけど、ヨーロッパに渡ってからの60年代テイラーのぶっ壊れ加減は相当カッコいい。同じくデックスと吹き込んだ「One Flight Up」が欧州テイラー初体験で荒々しすぎるドラミングに唸らされたことを覚えている。このスカーラルでもかなりラフでアグレッシブなドラムスで抜群だ。アート・テイラーは60年代が最高。あ、リーダーのデックスはまぁいつも通りというか垂れ流しというかずーっと吹きまくっております。パワフルすぎる。