堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)
 結構なボリュームですが、キレイな文章で読みやすかったです本格オカルトミステリー。まず設定が全篇ぶっ飛んでいて良いですね。異様な慣習、異常な登場人物、奇怪な建物とイカれた感じが不気味です。「田舎だから」とかゆう理由で全てを片付けようとするアティチュードも壊れてるぜー。中学生とは思えん博識っぷりと度胸のよさはなんなんでしょう。せめて高校生くらいだろ。アダルトすぎ。中盤で展開されるモダンホラーの紹介も作者の拘りが感じられるし、本編にほとんど関係してこないのもはっきりしているね。好きだから紹介した的な。後半のバベルバトルはちょっと笑いました。怒涛スギ。真犯人からトリックへのクライマックスはまぁそれ以前の勢いにはちょっと敵わないが、最後の殺人の状況がおっかなすぎ。ラストはメタでスッキリとラブリーな感じに仕上げましたとさ。