鮫島

• 流線形 - Tokyo Sniper [2006]

　よく拝見させていただいている日記の2006年ベスト企画とかアワードとかで自分が見落としていた音盤で気になったものを聴いたりしています。当然趣味に合わないのもあるんですけど、この流線形はバッチリハマりました。
　クニモンド瀧口のソロユニットのファーストフルレングスにあたる本作ですが、一言で言うと、巧い。所謂クロスオーバーと言われるハウスっぽいジャジーなブレイクビーツって、フロア映えは本当に良いんですけどなんかこう高尚っつーか大仰なとこが気に障ってあまり聴きません。このアルバムはAOR、フュージョンとかアーバンメロウな作風なんですけど、大袈裟なとこが全くないしメロディも鼻歌っぽくスっと耳に入ってくる心地良さも抜群。こう庶民のグッドミュージックって感じがします。10年前の日本のポップミュージックと言われても信じてしまうような普遍性も持ち得ているし。
　この感じは一昨年のG.Rina「漂流上手」にも似た印象を覚えます。作風は全く違うけど。フロアとか限定された場所じゃなくて、もっといろんな人のすぐ隣で鳴っていて欲しい音だと思いました。女性ヴォーカルがスゴク素敵で、個人的キラートラックは「恋のラストナンバー」です。ガチガチのハードバップ耳にはとても新鮮なアルバムですね。2006年の忘れ物音源をガッチリ回収出来ました！
　http://www.happiness-records.com/artist/ryusenkei/index.html

TOKYO SNIPER