柔よく剛を

Stepping Stones

 Woody Shaw (tp,flh)
 Carter Jefferson (ts,ss)
 Onaje Allan Gumbs (p)
 Clint Houston (b)
 Victor Lewis (ds)
 物凄い音源が2005年初CD化されました。Charles Tolliver、Hannibal Marvin Petersonと並ぶ70年代最重要トランペッターの一人、悲運のペッター、Woody Shawのヴィレッジ・バンガードでのライブ盤です。未発表音源2曲を追加した相当の充実盤。これは必聴かつ必携。
 トリヴァー、ハンニバルは熱く迸るようなプレイが聴き所だが、ショウは熱の篭ったブロウだけでなく、細部にまで気を配った丁寧なプレイが素晴らしい。決してテクニカルに拠ったものでもなく、唄心溢れる柔らかな演奏がとても良い。
 本盤は自身のバンドを持ちえた喜びに満ち溢れた好盤となっていて、インナースリーブのバンド写真もみんな素敵な笑顔で、バンド自体の充実ぶりも相当なものだったのだろう。当然それは演奏面にも反映されていて、メンバー全員が心地よいテンションで演奏をしている。楽しそう。お客さんの反応も良くて、会場の温かなムードが伝わってくる。
 楽曲としては、奔るナンバーや、しっとりとしたバラードなど多彩なセットで聴いていて全然飽きない。ショウオリジナル、メンバー作曲、タイナー作曲のものがあって、長時間収録なのだけど、一曲一曲の完成度が非常に高く抜群のライブだ。個人的にはAllan Gumbsのピアノがとても気に入った。バンドの中でかなり重要なポジションにいるのではなかろうか。
 ウディ・ショウの音源の中でCD化が最も待望されていた本作。早すぎる死により、悲運という扱われ方をするショウだが、こういったライブで人を感動させることが出来る彼は真のジャズマンだったに違いない。所轄クラブジャズ好きにもお薦め出来る2005年生粋の初CD化音源の一枚。

Stepping Stones

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