激吹

Hannibal in Berlin

  • Hannibal Marvin Peterson - Hannibal in Berlin [1976]

 Hannibal Marvin Peterson (tp)
 George Adams (ts)
 Michael Cochrane (p)
 Diedre Murray (cello)
 Steve Neil (b)
 Allen Nelson (ds)
 Charles Tolliver、Woody Shawと並ぶ70年代を代表する火の玉トランペッター、ハンニバル・マーヴィン・ピーターソンの日本限定ライブ盤。最近初リーダー作もCD化されてたけど、本作は結構前にCD化されたヤバいブツ。まさしくファイアーボールと表現するに相応しい凄まじいライブだ。
 ハンニバルのペットを大まかに表現すると、どれだけ長くデカく激しくブロウ出来るか、という点に集約できる。もうそれは初っ端のオリジナル曲「Tr.1 The 23rd Psalm」から全開で多少のズレなど気にもしない火の吹くようなブロウが凄い。ふんぞり返りつんのめった熱すぎる激ブロウ。しかし、決してフリージャズのような音ではなく、汗でむせ返るような男気ジャズだ。ジャケも本気だ。
 コルトレーンが愛したラス曲「Tr.5 My Favorite Things」は当然のことながら本盤のクライマックスだろう。コルトレーンはこの曲を完璧なまでに構築しようとしたが、ハンニバルのソレはまた違った意味で凄い。とにかく細かいことは気にしない。どれだけ爆発した演奏が出来るかどうか、だ。トレーンの「Live At Birdland」で聴ける「Afro Blue」などが好きな人はきっと本作は気に入るだろう。ジャケも似てるし。
 スムースさなど微塵も感じられない、漢度満点のアグレッシヴなジャズ。本日、フィンランド発のクインテットのアレが待望のファーストを発表するが、僕はその裏でニヤけながらハンニバルに心打たれることにしよう。

ハンニバル・イン・ベルリン

ハンニバル・イン・ベルリン

ライヴ・アット・バードランド

ライヴ・アット・バードランド