魔法蟹

Black Mahogani

 今月末にはリキッドに来日するMoodymannことKDJの2004年に発表した最初の方のアルバム。彼の作品はどう考えてもジャズが濃厚に匂い立っているのだが、その濃さが大爆発した傑作。2005年はほぼ定番と言われてるジャズを中心に音楽を聴いてきたので、Moodymannの作品では最も聴いている。
 何度も通しで聴ける非常にクオリティの高い作品なのだが、白眉なのは「Tr.4 Runaway」だろう。誰がどう何を考えてもクライマックスはこの曲しかない。反対意見は許さん。この曲に感銘を受けないようならKDJ聴く資格なし。いや、ゴメン、全然あるよ。タイトルを連呼するヴォーカルにヴィンヴィンのキックが止め処なくカラむ。異様な濃さだ。ラストにはモーダルな狂おしいサックスに美しい音色のピアノがくんつほぐれつの乱交セッション。続く「Tr.5 I'm Doing Fine」も愛おしいメロディが秀逸で最高。
 個人的にはKDJの最高傑作は本作。聴いてる回数が一番多いってとこと自分のジャズ以降の音遍歴からして一番しっくりキたから。次作と合わせて聴いておきたい名作だと思う。

Black Mahogani [FROM US] [IMPORT]

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