キルメ〜ン

Cypress Hill

 こちらはブラストにて90年代を代表するヒップホップアルバム10選に選出されたアルバム。Rage Against The Machineのメンバーも当時こぞって聴いたと言われるロックフィールドからのほうが愛好者が多いCypress Hillの記念すべきイカレファースト。おそらく、というか確実に10選の中で最もスッカスカな音。隙間っつーか穴だらけ、もうどこか精神が抜け落ちちまってるんじゃねぇかってくらいのギリギリの音数。でもこの上限りなくファンキーなんだよ。うすっぺらいのにドFUNKY!いえー。
 ラップはB Realがとりあへずおかしい。明らかにイってしまってるのよ。めちゃくちゃ甲高い声とその弛緩したコーラスがもうユルユルなの。白目剥いて、涎まみれになりながら、何とかライミングしてますって塩梅。レイジにもカバーされた「Tr.2 How I Could Just Kill a Man」はコーラスが秀逸でなんだか妙なテンションが肝のキラーチューン。「Tr.3 Hand on the Pump」「Tr.10 Stoned Is the Way of the Walk」「Tr.13 Latin Lingo」などイカレファンキーな曲しかこのアルバムには存在しねぇのよ。
 現在のヒップホップのトラックみたいにお洒落でジャジーでじっくりと創り込まれた音じゃないけど、全身から垂れ流れて出てくるファンク汁とケホケホと煙で前が見えねってくらいのラテンリンゴが大噴出!ロックファンはこの後の更にロックへとアプローチしたアルバムから入りゃいいっしょ。
 こういった名作は、ちょとおかしな感じでレビューすりゃなんか通っぽくなるんじゃね?っていう安直な考えで書いてみた。とりあへず、ファンキービートとB Realのラップは聴いておいて損はない。スネアの音色がいいよにゃ〜。

Cypress Hill

Cypress Hill