名空耳

BloodSugarSexMagik

 Night Camp Clickがアルバム発売ってことでタイトル元ネタのレッチリのアルバム。人それぞれ「Mother's Milk[1989]」や「Californication[1999]」が最高傑作だったりするけど、個人的には本作がレッチリの最高傑作。前作「Mother's Milk」で一気に彼ら流のファンク・ロックが全面開花したわけだけども、これによって立ち位置が決定的となった。
 ファンクって隙間の音楽だと思ってるのだけど、本作は見事に隙間が音になっていると思う。ライブでも定番となっている「Tr.5 Suck My Kiss」「Tr.9 Give It Away」「Tr.11 Under the Bridge」など好曲が目白押し。特に前半の畳み掛けるような楽曲群は最高。正直後半はダレて、ちょっと収録時間が長い気がする。
 レッチリも20年のキャリアで中堅大物バンドの地位を確立し、最新作「By The Way[2002]」では普遍的な馴染みやすいメロディで佳作となっているし、これからもU2メタリカのように何年かに一回アルバムを発表するようなバンドとしてヤっていくんじゃないかって思ってる。そんなんでも、やはり本作は彼らを語る上で絶対に落とせないアルバムだし、是非聴いておきたい。実際、ユニオンでも「One Hot Minute[1995]」や「Californication」「By The Way」はよく見かけるんだが、このアルバムはあまり置いてないことが多い。それだけ、ファンが手放さないのだと思う。自分もレッチリで一番聴くのはこれだし、とても大好きだ。
 フリーとチャドのビートがすげぇエキサイティングで、いつもベースとドラムに注目して聴くのだけど、Hip HopやSoulのビートに慣れた今でも本作の音はとても印象的に響く。ファンク・ロックを分かりやすくかつ馴染みやすいメロディで奏でた本作は是非とも持っておきたいアルバムの一つだ。なにせ和田勉だしな。

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