歌本

The Song Book

 Booker Ervin (ts)
 Tommy Flanagan (p)
 Richard Davis (b)
 Alan Dawson (ds)
 ウォルドロン、ドルフィーと共演した「The Quest」でサックスをバリバリ吹きまくったブッカー・アーヴィンの俗に言うブックシリーズのひとつ。ワンホーン編成でスタンダード曲を取り上げた好盤。
 僕は結構バリバリ吹きまくるタイプの人が好きなようで、本作の主人公・アーヴィンのプレイはかなり好きだ。ピアノがフラナガンってのも良い。Alan Dawsonのドラムも抜群で、主役が霞むくらいのアグレッシブな演奏で聴き応えがある。他のブックシリーズでも彼が叩いているようでかなり相性が良いのだろう。派手なアルバムではないけれど、充実した演奏が聴けてワンホーン好きには薦められる。

ザ・ソング・ブック

ザ・ソング・ブック

人生を切り分ける

 リリー・フランキーの新作「東京タワー」を読了。泣いた。涙が溢れた。自分はこういうのに尋常じゃなく弱い。活字が苦手でいつも一章ずつ読んでいたのだけど、昨日は後半あたりからグイグイ引き込まれて最後まで読んでしまった。
 僕が知らないだけで、こういった類の本はたくさんあると思うし、もっと泣けてしまう本もあるのだと思う。本についての知識は皆無に等しい。そんな自分でも、これはとても素敵な作品だし、何より読みやすいと思う。言葉が頭と心にスっと入ってくる。簡潔な言葉で人の心を捉えるのはとても難しいことだ。人の心を簡潔な言葉で伝えるのはとても難しいことだ。この本はそれが結構できてんじゃないかと僕は感じた。
 本好き、文学好きがどういう反応を示すかはわからないけど、否定的な意見があってもどうでもいい。涙が溢れて、爽やかな気分になったという事実で十分すぎる。

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~