2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

偏屈青春ミステリーの雄・米澤穂信がド本格ミステリに真っ向から挑戦した意欲作とでも言えばよいでしょうか。ミステリ恒例のクローズドサークルを用意しています。疑心暗鬼になった登場人物がマーダーを繰り広げます。設定はありきたりなんですが、米澤がこ…

歌野晶午の最新ブラック短編集。ショートショートなど10篇以上収録。タイトル通りどれもがブラックで陰鬱な感じに終わる物語ばかり。黒家族モノが多いのも特徴か。ベストはもろに歌野節が炸裂する「尊厳、死」ですね。「おねえちゃん」は狂い咲く切なさ、「…

東野圭吾最新作。東野作品らしいとても読みやすい文章に予想範囲内のオチと非常にフツーな小説でした。どうした東野。本編とかホントまぁまぁってゆう感想しかないんだよなぁ。中年男性の不倫ドリームを切なく描いて(スキー場の件は笑った)、でもやっぱり…

木製の王子 (講談社文庫)作者: 麻耶雄嵩出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/08メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 13回この商品を含むブログ (23件) を見る 本格推理の破壊王・麻耶雄嵩の真髄が感じられる作品でした。登場人物の名前に秘められた稚気や白…

壷井

Paul Mac Innes & T.B.O.I - S/T [2007] クラブミュージックに造詣が深い友人に教えていただいた一枚。北欧からもこんな音を鳴らすバンドが出てるのね、と感心。ジャイルスらにも好評を得ているらしい。ディラにも影響を受けているのであろう、近年で言えばP…

大切

Tonda Trio - Slow Bullets [2007] 傑作ブレイクビーツ集「ロスト・ブレイクス」も記憶に新しいA.Y.B.Forceのメンバーによる新バンド。ゲレロばりのゆる〜いビートが断然今の季節にぴったりでグっときます。残暑はまだありますが、日が落ちるのも大分早くな…

道尾初の青春ミステリー。伊坂幸太郎みたいだと思いました。器用な作家さんです。お得意の伏線回収や逆転系のちょっとした仕掛けを盛り込んだりして本格もしてます。恋愛に疎そうな男子の分かり易い心境もちゃんと表現してありますし、スッキリ読めて良かっ…

朝顔はまだ咲かない―小夏と秋の絵日記作者: 柴田よしき出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (27件) を見る 柴田よしき初体験の青春ガールズミステリー。面白かったです。ベストは「さくら、さく…

見事なまでに密室に彩られたミステリー。作者は密室のみに染まった小説を書きたかったんだろうけど、やはり自分にとっては同じものをずっと食わされているような気がしてものすごく辟易しました。密室そのものは確かにいろんな趣向が盛り込まれているんです…

普戦

Boot Camp Clik - Casualties of War [2007] バックショットを筆頭としたMC集団Boot Camp Clikの新作。昨年も発表しているから随分と精力的に活動しているみたいだ。Sean Priceも新作出したし、スミフンももうすぐ出るっぽい。基本的な路線は当然ストリート…

ストレートすぎるほど本格ファン向けですが、面白かったです。小説としての面白さも重視する人には向かないと思います。鬼、首切り、見立て、孤島、館と王道な設定にも心踊りましたが、メインとなるネタは現代の科学捜査を取り上げた理系トリックで、作者の…